みおこし

教授と美女のみおこしのレビュー・感想・評価

教授と美女(1941年製作の映画)
4.2
これだからクラシック映画開拓はやめられないのです!
崇拝するビリー・ワイルダー先生の脚本をスクリューボールコメディの神様ハワード・ホークスが監督、サミュエル・ゴールドウィンがプロデュース。音楽はアルフレッド・ニューマン、衣装はイーディス・ヘッド。世界に今もなお名を轟かせる映画人たちが名を連ね、主演はゲイリー・クーパーとバーバラ・スタンウィックという最強の布陣。童話『白雪姫』へのオマージュという意味でも最高に楽しいのに、今まで何で観てなかったのか本当に謎...。

10年間、百科事典の編纂のために各分野の8人の教授たちが屋敷にこもっていた。俗世間と隔たれた空間に嫌気がさし、新鮮な情報を求めて街に繰り出した言語学者のポッツ。ナイトクラブで出会ったのは、ギャングの情婦のシュガーパスだった...。

後年ホークス監督によりリメイクもされただけあって、とにかくテンポの良い展開とウィットに富んだ脚本が最高!俗世間を知らないお堅い教授たちと、俗世間にまみれた美人シンガーの奇妙な共同生活。そこにギャングも絡んで来ての大騒動!ホークスとワイルダーの神タッグぶりが手に取るように分かる作品でした。
教授たちと汚い言葉遣いのシュガーとの言葉遊びに近いやりとりや、ジーン・クルーパ楽団の特別出演も貴重なクラブシーンや教授たちとシュガーがコンガを踊る少しミュージカルチックなシーン、そして思わずキュンとなるゲイリーとバーバラの美男美女による恋愛描写...。枚挙にいとまのない魅力に溢れた傑作です。

バーバラ・スタンウィックは当時34歳とのことですが、とにかく美人だしセクシーだし、でも決してこの役柄が下品に見えない高貴さもありつつ!ハマり役でした。
ゲイリー・クーパーも、こういうお堅い朴訥な役柄に扮するとすごく可愛い!
他の7人の教授たちの、「小人感」もまた可愛いんだよな〜。

クラシック映画ファンはもちろんのこと、あまりクラシックに馴染みのない方も安心して楽しめる一本かと思います。ぜひご覧ください!
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