青二歳

砂の城の青二歳のレビュー・感想・評価

砂の城(1977年製作の映画)
4.0
カナダ産砂のアニメーション。砂漠から生まれた砂の子供と、彼が生み出す不思議な生き物たちの砂遊び。砂と戯れ、砂の城を築城する彼らは豊かなイマジネーションに満ちている。しかし砂嵐とともに彼らは砂に帰す…アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞。
ジャンルとしてはクレイアニメとなるんでしょうか。砂の子供と、砂の不思議な生き物たちは粘土だと思うので。だけどこれ一体どう撮影しているんだろう…コ・ホードマンはアニメーション部分はすべて1人で作るそうですが…うーん見事。

砂の子が生み出すキモ可愛い不思議な生き物たちは、どことなく現実の生物の片輪のようである。キリスト教的世界観をみるべきなのかは分からないが、神でない砂の子が作り出すものは不完全で、はかないものなのだろうか。仏教的に見れば、砂嵐が新たに生み出す砂の波に帰す彼らには有為無常、生滅流転の言葉が浮かぶ。

この年代でチベットなどの砂絵が北米に知られていたかは不明だが、あの砂絵による仏教画を観たらコ・ホードマンは何を思うのか気になるところ。
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