みおこし

少佐と少女のみおこしのレビュー・感想・評価

少佐と少女(1942年製作の映画)
3.7
ビリー・ワイルダー監督の初期の傑作。タイトルからはピンと来ない人は多いかもしれないですが、2021年現在鑑賞しても色あせない痛快コメディーです。

ニューヨークで頭皮マッサージ師の仕事をしているスーザンは、客からのセクハラをきっかけに退職を決意して故郷に戻ることに。しかし、わずかな貯金では列車の切符を買うことも難しく、思い切って12歳の少女スースーのふりをすることに…。あっという間に車掌に見抜かれ、車内のとあるコンパートメントに逃げ込むと陸軍少佐が乗っていた。彼はスーザンが本当に少女だと信じてかくまうことにするが…。

スーザン役のジンジャー・ロジャースは当時31歳。とっても綺麗だけどさすがに12歳の女の子役には無理があるというツッコミはさておき、とにかくこの年齢詐称から巻き起こる騒動が秀逸!セリフ量も多くて、まさにビリー・ワイルダー節さく裂。すっとぼけた感じの少佐役レイ・ミランドもはまり役。この数年後にまたワイルダーと組んだ『失われた週末』でのアルコール依存症患者の役とは180度違う役で、改めて役者さんってすごいなと痛感。
怒涛の騙し合い合戦と惚れ合い合戦の後はハリウッドらしい大団円で終わるわけですが、終始笑顔で楽しめる素敵な作品でした。
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