冬木

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生の冬木のネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

1968年の(あまり詳しくないが)おそらくホラー黎明期の作品だが、ホラー映画の文法は既に完成されている。当時はゾンビという言葉さえなく、作中でも化け物たちの名前は一度も出てこないのだが、「死者が蘇る」「頭を撃つと死ぬ」「人間を食べる」「噛まれるとゾンビになる」等のお約束は完全に守られている。演出面でも恐怖というよりは「来るぞ来るぞ……」と音楽含めて煽るようなドキドキ感があり、楽しく(?)観ることができた。
こういった映画では家に立てこもるしかなくなるのもお約束だ。作中でグループは仲間割れを起こし、ひとりだけ生き残った男も撃ち殺されてしまい、全滅する。ここでも「良心的な人間が最初に死ぬ」「裏切り者が出る」「パニックになり何もできなくなる女性」などの王道パターンが完成されている。また適宜ラジオやテレビの情報を挟むことでドキュメンタリーのような緊張感を生み出すことにも成功している。
こうしたホラーのお手本を一気に一本の映画として提示したロメロの才能には、ただただ驚くばかりだ。
冬木

冬木