映画の道化師KEN

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生の映画の道化師KENのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ゾンビの起源はここから始まった!

監督は「ドーン・オブ・ザ・デッド 」のジョージ・A・ロメロ。主演はの「ビート・ストリート」のデュアン・ジョーンズ。加えて、ジュディス・オディア、カール・ハードマン、キース・ウェインらが共演する!

墓参りにやってきた兄妹ジョージとバーバラ。そんなふたりに、甦った死体が襲いかかる。ジョージは格闘の末に死亡し、近くの家に逃げ込んだバーバラは他の避難者たちと合流する。しかし、一行は死者の襲撃を前にしながら対立。ゾンビの群れは容赦なく押し寄せてくるが…

ジョージ・A・ロメロの初監督作品であり、リチャード・マシスンのSF小説「地球最後の男」をヒントに、生者を襲い、人肉を食う、噛まれると死んでゾンビになる、頭部が弱点というモダンゾンビの定義を作り上げた、革命的名作。7人の男女が民家に立て篭もり、ゾンビから生き残るために繰り広げる人間模様を描いた内容。

見どころは叫ぶことしか取り柄がないヒロインのバーバラと有能に見えるのに行動が全て裏目に出て、追い詰められる黒人主人公ベンの窮地。誰も生かす気がないこの作品はいわゆる、登場人物たちの処刑ショーであり、映画「悪魔のいきにえ」と同じくらいの胸糞が満載。いくら殺しても絶えず、沸き続けるゾンビを、根絶出来ないウイルスのメタファーとして創作し、不条理の象徴として主人公たちを恐怖と絶望のどん底に叩き落とす様は、原点にして頂点と呼ぶべき、ゾンビ映画だ。更に、ベトナム戦争の最中、マイノリティ派が基本的人権を勝ち取るための公民運動を燃え上がらせていた時期に、公開されたこともあって、黒人がリーダーとして白人たちを指揮する姿が大きな反響を呼んだ作品でもある!

人生の中で見るべき作品の1つといっても過言ではない!