えす

突然の花婿のえすのレビュー・感想・評価

突然の花婿(1952年製作の映画)
3.8
僅か3ドルのスピード結婚式に始まる冒頭の多幸感も束の間、『僕の彼女はどこ?』を凌駕する毒親っぷりと、居候過多による凄まじい腹立たしさ。物理的にまで居場所が無くなるという。拝金主義的な思考様式に妨げられる男女のロマンスが、ほぼ室内だけで展開されるのだが、豊かな人物の動きが画面を停滞させることなく80分駆け抜ける。素晴らしい。階段は喜劇だけではなく不穏を呼び込む装置ともなる。香水攻めから自我を保とうと、消臭剤を握りしめるトニー・カーティスが超キュート。
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