もとまち

戦場の謝肉祭のもとまちのレビュー・感想・評価

戦場の謝肉祭(1980年製作の映画)
3.7
実際の戦争をスプラッター・ホラーとして描くことについて。作り物の残虐なんかよりも現実の戦場のほうが遥かに惨たらしいのだから、見世物目的と言えどこの程度の残酷描写はあって普通、というか全然足りてないとすら思う。ネタ元を『ディア・ハンター』に選んだためか、わりとマトモな厭戦映画に仕上がっていたのが驚き。戦いに疲れ果て、生き死にの感覚が麻痺し、正気を失った米兵たちの姿。誰にも肩入れはされず、敵も味方も等しくゴミのように死んでいく無慈悲な世界。アンソニー・M・ドーソンのミニチュア特撮は迫力十分で、特に冒頭の空襲(?)シーンは低予算をまるで感じさせないハードさ。火薬量多め。この手の安上がりなパチモン戦争アクションにしてはかなり面白いほうでしょ。
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