キミシマユウキ

ハードエイトのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ハードエイト(1996年製作の映画)
3.7
老賭博師のシドニーはラスベガスのカジノで一文無しになったジョンをふとしたきっかけで助けることになるが……

『マグノリア』『ブギーナイツ』
『ファントムスレッド』の
!!ポール・トーマス・アンダーソン!!
監督による長編デビュー作。
主演はPTA監督常連の渋い俳優
!!フィリップ・ベイカー・ホール!!
PTA作品は抑えていきたいので鑑賞。


「お前に50ドル貸したら、
何に使う?」


おおぉぉぉ。これは好み。
初期からキレッキレなPTAのハードボイルド作品。
ラスベガスのカジノが舞台の時点でツボだし、そこで日銭を稼ぐベテラン賭博師が主人公という所もドツボ。
そしてPTA監督お得意の人間ドラマ……渋いぜ。
意外とカジノで稼ぐHow toの部分は前半で終わり、(この前半がめっちゃ好きだったりする)
そこからはサスペンス調に展開していくのだが最後は納得のエンディング。
劇中一つだけ引っかかっていた疑問を消化してくれた。

主演のベイカーホール爺が渋い。
常にスーツでビシッと決めた老紳士。汚い下ネタも
「レディの耳に届きやすいぞ」
と眉をひそめて優しく注意。
常に表情の見えない抑えた演技がかっこよい。
若者ジョン役にジョンCライリー
PTA常連の彼も相変わらず上手い、この頃はまだ若くてヤンチャな役もやれたんだなぁとしみじみ。
そしてキーパーソンのウェイトレス役にグウィネス・パルトロー。
これはあんまり合ってないキャスティングかな…?
元が上品すぎて綺麗な彼女には場末のヒステリックなウェイトレス役は難しいだろう。そんな演技上手い訳でもないし(笑)
あ、あとサミュエルLジャクソン叔兄貴がファッキンゲス野郎役で出てます。

基本的に静かな演出で大人な作品だが、その分ラストで響く銃声の意味が重くなっていくのであーる。

PTA監督好き、ハードボイルド映画好き、そしてラスベガスで常勝したい賭博師の方々にはオススメの作品。