ぱねぇ

動くな、死ね、甦れ!のぱねぇのレビュー・感想・評価

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)
4.6
舞台は第二次世界大戦直後、ロシアの極東にある小さな炭鉱町・スーチャン。この町は強制収容所地帯と化しており、労働区域では捕虜たちが強制労働を強いられている。過酷な世界の中、己が生き延びることで必死な大人たちは、子供たちへの関心どころか、少しの情すらもない。
主人公の少年・ワレルカは、そんな環境や大人たちへの反発心からイタズラを繰り返す。
一方で、ワレルカが悪さをするたびに現れては彼を救う少女がいた。彼女の名はガリーヤ。次第にガリーヤは、ワレルカの心の支えとなっていく。
しかし、母親との関係の悪化を境に、ワレルカのイタズラはエスカレートしていき....。

タイトルからしてインパクト抜群の本作、本編はさらに衝撃的で、目を瞑りたくなるような内容であるのに、その映像の美しさに心を奪われてしまう。
ワルを気取っているワレルカと、純真無垢なガリーヤ、2人の美しい瞳に映る世界は、あまりにも残酷であり、狂気に満ちていた。

もし、この映画を見ていない人がいたなら、是非見ていただきたい。
見た後にやるせなさが残ることは確実だが、必ず誰しもの心に突き刺さる瞬間があるはず。
ぱねぇ

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