牧史郎

みな殺しの霊歌の牧史郎のレビュー・感想・評価

みな殺しの霊歌(1968年製作の映画)
4.0
何も知らない状態で観たかった…!

ネタバレになってるあらすじがなければ、切り裂きジャック的なフェミサイド事件に見せかけて、視聴者のジェンダーバイアスによる先入観を何度も転倒させる凄まじい映画体験になったはず。

この物語はそのまま今リメイクしても物議を起こす作品になっているだろう。

加藤泰の演出の凄まじさは相変わらず。最後の女の告白の場面のフラッシュバックとか異様すぎてゾッとする。

加藤泰とは相反するように見える山田洋次イズムが入っているのもめちゃくちゃ作品を豊かにしている。相変わらず狂った兄に翻弄される倍賞千恵子が他の山田作品にはない魅力を出している。やはり監督によって同じ被写体が同じような役柄をやっていてもこんなに違うんだーと感心してしまった。笑
牧史郎

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