完全自己満足でお送りする不定期企画『レビュー0件映画を鑑賞してみた』
　これはFilmarks内で未だレビュー投稿のない作品をあえて鑑賞し、レビューを書いてみようじゃないかという、無謀かつ誰得な企画です。

　とりあえずのルールとして、Markされていても、レビュー欄が空欄だったり、あったとしても「記録」や「過去鑑賞」のような、レビューとは言い難い内容の書き込みもレビュー無しとみなします。

　さて、今回鑑賞した作品は……
　『オーロラ・エンカウンター』　LDで鑑賞。
　1985年　アメリカ　　SFファンタジー　　　先客2名様

　時は1849年。アメリカはテキサス州のオーロラという町に、突如UFOが出現。現れたエイリアンの姿は小さな子供くらいの背丈。そして、ものに手を触れずに動かせるサイキックの持ち主だった。
　このファースト・コンタクトに町は大混乱。飲んだくれのおっさんや純真な子供たちとの触れ合いもある反面、エイリアンを殺そうともくろむ者もあらわれる……。
　果たして、エイリアンがこの町に姿を現した目的とは何なのか、エイリアンと町人たちの運命は?

　2011年に公開された『カウボーイ&エイリアン』よりも前に、未知との遭遇inウェスタンを描いた作品。『カウボーイ&エイリアン』のようなバトルものではなく、町人とエイリアンの交流を描くドラマ仕立ての内容となっている。

　映画の世界では、大半のエイリアンが侵略のために地球にやって来るものだけど、本作のように敵意のないエイリアンも稀にいる。ただ悲しいかな、人間はよそ者だったり、姿かたちが自分らとは違う異形の者に対して、まずは不信感や恐れを抱いてしまうもの。多少ネタバレになってしまうが、それが悲劇を巻き起こす。
　正直、個人的に本作の結末は納得いかない。多くの謎を残したままだし、何よりも救いが無さ過ぎてつらい。ものすごく嫌な余韻だけが残る。

　本作でエイリアンを演じたのは、当時13歳のミッキー・ヘイズという人物。背は小さく、頭部は肥大し、髪の毛はなく、顔の皮膚もしわが多い。しかし、この姿はほぼノーメイク。実は彼、早老症という、かなり珍しい病気を患っていて、その症状により、本当に宇宙人のような見た目になっているのである。
　今だと「病人や障がい者を面白半分に見世物にするなんて!」みたいな批判が出てきそうなキャスティングだけど、逆に、そういった人たちが人前に出たり、映画やドラマなどに出演してはダメなんて、誰が決めたの?　と思う。そういうのは周りが決めることではなくて、本人が決めることではないだろうか。彼らの活躍の場を狭めるような周囲の、どこかずれた思想こそが人権侵害や差別につながっている気がしてならない。
　もちろん、ミッキー・ヘイズがどのようないきさつで本作に出演したのかは知る由もないけれど、本作を観る限りでは楽しく撮影に臨んでいたのではないかと思う。それだけ、宇宙人役を生き生きと演じていたように見えた。
　残念ながら、ミッキー・ヘイズは20歳という若さでこの世を去っている（ちょうど20歳の誕生日に亡くなっている）。
　本作への出演が、彼にとってかけがえのない思い出になったことを願ってやまない。

• #レビュー0件映画を鑑賞してみた

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