胸くそ悪く秀逸
賛否両論ですが、個人的には新しい試みの意欲作だと受けとりました。葬儀屋の形を借りた連続殺人鬼の話です（監督がインタビューで種明かししていました）。人生に意義を見出だせなくなった人間に目星を付け、事故を誘発して仮死状態→お葬式→生き埋めをライフワークとする謎のオヤジ。暴力を振るったり声を荒げたりすることなく、憂いを帯びた目で犠牲者を淡々と｢お前はもう死んでいる｣と説得するリアムニーソンが秀逸です。
｢まともに機能していない人生なら、生きているときから死んでいたも同じ｣という彼の信条には気付かされるものもあります。しかし裏を返せば、そんな人間なら殺したって同じと言っているも同然で、やまゆり園や座間の殺人鬼と同じ発想です。じゃあそんな人間をターゲットに、神様ごっこをしている貴様は一体何様なのかと。
この作品からの学びは、どんなに不調でもそれを見せてはいけない、見せた途端にプレデターがやって来る、です。人間以外の生き物には備わっている本能ですね。
2018/11/4 10:41
