アマプラで観て気に入り、DVDを購入して10回くらい立て続けに観てしまいました。謎解き仕立てのプロットも中毒性がありますが、何より使われている音楽やネタが自分の青春時代と被っているので、懐かしさも相まって毎晩観賞。調べたら監督が同年代なので納得です。
A24作品だけあって、ハリウッド映画らしからぬ感じが最高でした。何を生業にしているのかよく分からない主人公のサムが、謎を解きながら一目惚れした女の子の行方を追う様は、80年代にブームとなった「仮面舞踏会」という謎解き絵本を彷彿とさせます。途中いろんな女性をつまみ食いしながらゴールまで行く様が、現実のダメ男っぽくて面白いですね。車にいたずらした小僧をいきなりパンチアウトとか、ウ○コ中のバンドのボーカルを理由もなく叩きのめすとか、イルミナティみたいな作曲家を滅多打ちとか、彼のサイコな面も余すところなく披露しています。犬殺しも彼なんでしょうね多分。ちなみに、この映画で犬は業界に棲息する若い女性達のメタファーとして描かれているなのかなと感じました。愛玩犬の様に可愛がられ、飽きられたら殺処分的な。
最後はああそういうことか…という展開ですが、最近家族を亡くした自分にとって、"花嫁"の一人が語る夢のシーンは涙なくして観られませんでした。あと、エンドロールのワンワン達が出てくるシーンは辛いです。
