ひろゆき

わらの犬のひろゆきのレビュー・感想・評価

わらの犬(2011年製作の映画)
3.0
わらの犬とは、
『天と地は無常であり、無数の生き物をわらの犬として扱う。賢人は無情であり、人間たちをわらの犬として扱う』という老子の『語録』から引用したもの。わらの犬は、“護身のために焼く、取るに足らない物”という意味だそうだ。
藤井フミヤの『わらの犬』から気になって見た映画。
この映画が扱ったテーマは、『わらの犬』のように平凡な人物が被害者となり、凄惨な暴力で加害者に復讐するというプロットはのちに『わらの犬症候群』と呼ばれるほど後続の映画に大きな影響を与え、被害者が加害者に過激な暴力で報復する映画が多く作られたそうだ。
暴力に対して、非暴力で対応しようとしたのに、妻をレイプまでされて、嘲笑されて、結局は、より強い暴力で打ち克っていく。この映画は、無情で、そして絶望しかない人間の怖さみたいなものを感じた。
ニーチェは、恋愛結婚よりも友情結婚をすすめていたそうだ。
「恋愛から結ばれる結婚は誤謬を父とし、逼迫(欲求)を母としている」
結局、暴力でしか解決できないような、ルサンチマンしか人生にないのだとしたら、それは何の意味もない。「永遠回帰」「輪廻転生」だとしたら。暴力と暴力の繰り返しでしかないのかもしれない。「雨」というフレーズで、このことを歌ったフミヤのセンスって、めっちゃかっこいいのかもしれない。僕は個人的に大嫌いだけど。ガキっぽくて。恐怖にかられて、頭の中であれやこれや様々な解釈を生み出し、ありもしないことを勝手につくり出し、信じ込んでしまうような、心の弱い状態を抜け出して、ポジティブな考え方へ切り替えた方がいい。
「あのとき、ああしておけば・・・」なんて考えてはいけない。喜びも苦しみも一緒に受け入れて、運命の愛を手に入れるのだ。
絶望の果てに、これが人生だったのかと辿り着ける作品だ。
ひろゆき

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