Katsuya

ON AIR オンエア 脳・内・感・染のKatsuyaのレビュー・感想・評価

3.7
あなたは自分の言葉を理解して話していますか?
そもそも言葉を理解するとはどんなことだろうか?
辞書のページをめくって言葉の意味がわかっても理解したことにはならない。
その「言葉」をテーマに繰り広げられる、全く異質の体験ができる映画。

スティーブン・キングのような斬新なアイディアに惚れた。
B級感漂う作りだが、非常に面白い。
是非とも続きが観たいと本当に思える。

舞台はカナダの小さな町。
ラジオ局で1人のDJと2人のスタッフ。
いつも通り、ラジオを放送していると街で謎の暴動が起こる。
みんなはラジオ局に留まり、かき集めた情報で放送を続けることに。

物語全般ラジオ局で繰り広げられる。
ひたすらラジオDJが外との中継で情報を伝える。その情報が本当にラジオを聞いているかのような感覚になって恐怖演出としては見事。

主人公のラジオDJの存在感とDJ独特のトークを作った脚本がこの映画を際立たせていた。

よくあるゾンビ映画とは一味違うのがこの映画の真骨頂。
「言葉」というものに感染した人間たちの暴走とでも言うべきか。これまでになかった新しい発想を生み出した映画。

確かにB級だし、低予算感でているし、「言葉」に感染した人間たちが大量に出てきて襲いかかられるわけでもない。
ただ、この作品を1つの映画としてではなく、1つのラジオとして鑑賞して観るとすごく面白い。
Katsuya

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