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マン・オブ・スティールのsiaのレビュー・感想・評価

マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)
3.1
DCEUの第一作目はスーパーマンのオリジンストーリー。

他の作品を見たことがないのでなんとも言えないのですが、スーパーマンってシリアス路線で作るのが難しい題材なんだろうなと思いました。
バットマンと違って衣装もカラフルだし強さも常人離れしてるので、どうしても絵面が漫画チックになってしまいます。

これをそのまま『ダークナイト』のような暗くてリアルな世界観に落とし込もうとしたせいでどこか違和感が出てきちゃってるのかなと感じました。

ただそれ以上に、この映画の一番の問題点はキャラクター描写の薄さです。

ヒロインのロイスは一度スーパーマンに助けられて身元を突き止めただけなのに、なぜかクラークにとって特別な人物という立ち位置になっています。
意味もなく宇宙船に連れていかれ、なぜか最終バトルでも戦闘機に乗り込んでいます。
メインヒロインとして描きたいなら、もっとスーパーマンとの間に特別な絆や必然性を感じさせるエピソードが欲しかったです。
「ピューリッツァー賞を獲った」という取ってつけたような設定も別に要らなかったような。

クラークと養父のエピソードも、彼が高潔に生きるようになった理由付けとしては正直納得いきませんでした。
あまり意味のある死に方ではなかったし、どうして自分の家の飼い犬を助けるために竜巻に呑まれるなんて間抜けな脚本になったのか謎です。
たとえばベンおじさんとかトーマス・ウェインみたいな、クラークの生き方に影響を与えるような最期がいくらでもあったんじゃないかなあ。

全体的にどの登場人物も表面的であまり好きになれなかったので、彼らのストーリーにも関心を向けづらかったです。
コマンドキーだったりコデックスだったりとやたら細かい設定が多いし、もうちょっとシンプルな内容にしても良かったんじゃないかなと思います。
最初のクリプトン星のくだりはやや長すぎる気がする。

ヘンリー・カヴィルのスーパーマンはかっこいいしアクションシーンも見応えがあるだけに、ちょっともったいない作品でした。

まあユニバースの一作目としては素晴らしい出だしとは言い難いけど、スーパーマンの強さは十分に伝わってきたし、次のバットマンとの対決が楽しみになる内容ではあったんじゃないでしょうか。
ていうかバットマンが勝てる気がしないぞ。
sia

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