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12人の怒れる男 評決の行方のhirominminのレビュー・感想・評価

12人の怒れる男 評決の行方(1997年製作の映画)
5.0
こんなにもシンプルな映画で、こんなにも中身が詰まった映画が他にあるだろうか。

これは傑作。かなり気に入った。
リメイク以前のものも見てみよう。

映画を一言で表せば、「とある殺人事件について、裁判の検証をする映画。」

一見、地味に見えるけど(実際、地味)、その検証プロセスはとても面白い。

裁判後、判決は裁判員に託される。
検証前の状況は、裁判の各証言と検討から有罪は確定。
皆、有罪として意見一致し、早く家路につきたいところ。
被告人は有罪なら即、死刑。

別室にて。いざ検証をはじめると…12人中11人が有罪、1名が無罪。ここから12名の検証作業がはじまる。

何といってもジャック・レモン。
論理、論理、論理、で各検証事例をひっくり返していく。この論理のもっていきかたが綺麗。
どのように論理実証するのか、これがこの作品の見どころ。
というかこれしかない。というかこれが気持ちいい。

論理実証で映画1本成り立たせちゃう、それも1秒たりとも飽きさせずに、これって凄いなと。

なんとも重厚感のある映画。傑作です。
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