このレビューはネタバレを含みます
スタチャンの録画を久々に観て、ああやっぱりいい映画だなあと思った。
派手すぎるほど派手な演出が、余計にギャツビーの切なさと孤独を際立たせてる。ディカプリオ演じるギャツビーの「うさんくさい笑顔」が、デイジーとの再会で少しずつ動揺し、崩れていく様がほんとに見事!
傍観者であり善き隣人、ニックasトビーマグワイアのまんまるな瞳が印象的。神はすべてをご覧になっている、というけれど、神ならぬ身で人の世の無常を目撃したニックは辛過ぎて病んでしまった。葬儀の夜、たった一人、ギャツビー邸の階段で寝入るニックが切なくて切なくて…
初見時はデイジーが許せなかったけど、歳を重ねて、デイジーはただ弱くてずるい、普通の人間だったんだなぁ…と思うようになった。ニックが言うように、ギャツビーは、デイジーを理想化しすぎて、追い求めるあまりに追い越してしまったんだなぁって。
私は、ギャツビーはイカロスみたいに頂点で太陽に焼かれたか、デイジーという重力によって墜落した人だと思っていたけど、学生時代のクラスメイトが「ギャツビーは飛んで飛んで、何もかも飛び越えて宇宙へ行ってしまった人」だと評していて。そのクラスメイトの解釈が、私はとても好きだ。