けすん

華麗なるギャツビーのけすんのレビュー・感想・評価

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)
3.9
過去は変えられると信じ、デイジーをずっと愛し続けたが故に思い通りに行かない現実に対する葛藤。ディカプリオの名演技は今作でも光っていた。

華麗なるというタイトル通り作品を通して富裕層の登場が多く、派手で自由奔放な生活が目立った。音楽もクラブミュージックのようなものが多く、見ている側もその空間に酔いしれることができる。印象的だったのはディカプリオの登場シーン。存分に焦らされていつかいつかと思っていると不意に登場してあの笑顔は反則だ。

ニックが書いた小説を朗読するという形でナレーションが入るのがよかった。ニックは主役では無いが、この作品になくてはならないすごく重要な役割を果たしている。ギャッツビーの唯一の理解者であり、状況を常に俯瞰できる仲裁者の様な立ち位置だった。

タイトルと反してすごく悲しくて切ない作品。重いシーンも割と多く、しんどいと思ってしまう人もいると感じた。過去は紛れもない事実であり、その事実を変えることはできないという残酷な現実を突きつけられる。見終わってスッキリすることはなかったが、色々と考えさせられた。
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