まる

東京家族のまるのレビュー・感想・評価

東京家族(2012年製作の映画)
4.1
初めは、小津安二郎の劣化版じゃないかと思いながら観ていたけれど、最後全くそんなことなかった。
一言で言うと現代版東京物語。何も知らずに観て、勉強机のシーンあたりから、うわ、パロディーだとがっかりする。でも進めば進むほど元作に敬意が込められているのが非常によくわかるカメラ回しとセリフで、楽しくなっていた。
この作品を焼き直そうと思ったことが本当に凄いと思う。

でもやっぱり東京物語には構図の美しさやセリフの的確さなどが敵わないなと思いながら観ていたんだけど、東京家族はとにかく今と距離が近くなり自分の問題として入り込む。東京物語も共感する部分はあるけど、どこか低俗なようで高尚な問題に昇華されてしまう。その差を味わうと同時に東京家族を見ながら自分が典型的現代人であることにはっとする。でもそんな分析置はいておいて、最後は気持ちが重なる部分が多くてよく泣いてた。

あとは久石譲がずるい。以上です。
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