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マリー・アントワネットに別れをつげてのpluviaのレビュー・感想・評価

3.5
ベルリン国際映画祭のオープニング上演で、なかなかの高評価だったとのことはあると思います。

ストーリーの面白さに期待するならば評価は下がりますが、1789年の時代的な空気を見たいならそれほど悪くはないです。
作品テーマにも「信じる対象の表面だけを見てはいないか?」「自分とは何者か?」「何によって自分という存在が決まるのか?」といったニュアンスも感じます。

ヴェルサイユ宮殿というと豪華絢爛で描かれることが多いですが、
使用人部屋のボロさ、虫刺されの原因が池で繁殖した虫だろうとの会話、映像的には直接ではなく何処となく小汚い雰囲気がでていたと思います。
(ヴェルサイユ宮殿のトイレがおまるで、おまるも足りずに悪臭だった有名な話もあるくらいなので、実際に近いリアル雰囲気なのかもしれません。)
強固な基盤と表面的な美の奥に表現されていく内面性への気付きの過程、みたいなストーリーでもあると思います。
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