かねだ

LOOPER/ルーパーのかねだのレビュー・感想・評価

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)
3.5
このジャンルはとても好き。でもタイムループ関連の作品はどうしても登場人物の人生に焦点を当てて、タイムトラベルそのものを、おざなりにする傾向があるように思える。過去へのタイムトラベルは数タイプのうちに形骸化され、未来へのタイムトラベルは過去の遺産となった印象がある。この作品も「親殺しのパラドックス」に近しい逆説を使っているほかは、これといって肝心のタイムトラベル要素は感じられない。それを肝にするなら主人公に「タイムトラベルは複雑で頭が痛いから話をするな」なんて言わせちゃいけない。もちろん未開の技術だから仕方ないのかもしれないが、背景設定のみにとどまるのは少し悲しいように思える。

それから、せっかく二人の自分が登場するのに、”双方を完全なる他者”として扱っている点がなんとなく残念であった。それゆえ自己犠牲もイマイチ光らない。

ライアンジョンソンのSWには色々疑問を感じていたが、こっちは嫌いじゃない。今見ているbreaking badでも彼が作っているエピソードがあるそうだから楽しみ。

参考までにいっておくと、雰囲気はリベリオン+AKIRA(orクロニクル)
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