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白いカラスのmhのレビュー・感想・評価

白いカラス(2003年製作の映画)
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フィリップロスの小説が原作。
不運なスキャンダルで晩節を汚した老教授と、隣に住む小説家のお話。
幽霊を指す言葉「スプーク(Spook)」を、俗語表現の「黒人(蔑称のニュアンス)」と受け取られて、自ら大きくした大学から追い出されてしまう老教授。
昔ならまだしも、いまはセンシティブだから仕方ないという流れだったけど原作は2000年にかかれたもの。
心臓発作で奥さんがなくなるも、老教授には新たに出会いがあり、その女性にはDVにより別れた夫がおり、その夫はベトナム帰還兵。
同時に過去パートも進行しており、黒人である父親は仕事がないため身を粉にして働いており心臓発作でなくなる。
老教授と恋人もなくなる。
なくなりすぎだし、詰め込みすぎ。
ラストは老教授の妹から種明かしを聞く。
それが「白いカラス」という邦題につながっている。
社会学で言う「passing」が大きなテーマとのこと。「passing」は人種、階級、宗教などを(主に少数派のほうが多数派のほうだと)欺くことで利益を得ること。
作中のセリフ「生まれてきたの子の肌が黒かったらどうするの。不貞の子だといって、奥さんをなじるの?」にハッとする。
詰め込み過ぎでめちゃくちゃになりそうな話を、脚本と編集だけでまとめ上げてることに感心する。
実際、かなりわかりやすい。ハリウッドはすごいね。
名優が多くキャスティングされてるのも見どころでした。
面白かった!
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