ナマラマナ

パフューム ある人殺しの物語のナマラマナのレビュー・感想・評価

4.0
難しい映画でした。
とても猟奇的でゲロゲロ~なんだけど、切なくて、主人公に同情する気持ちも芽生えるし。
でもね、すごい観客の臭覚を刺激する映像なんですよ!
最初の魚市場で悪臭の中で産み落とされるシーンから始まって。
主人公のグルヌイユは自分の体臭を持っていないという特異まれな体質で生まれ、そのかわりにすごい臭覚を持つことになります。
孤児院で育ち、低層階級で下働きをし・・・そんな時、一人の少女のいい匂いを嗅いでしまいます。彼女に近づいた時、事故のように彼女を殺してしまうという。
そしてそこからフェティシズムがはじまるわけです。
香水調合師に弟子入りし、その匂いを再現しようとするわけですが・・・
体臭もなく、人間というアイディンティティや、愛に恵まれなかったから「愛」を求めていたように私は思えて、なんか同情して切なくなりました。
時代が時代だし、学がないのも当然だから、本能的な生き方しかできないんだろうけど。
その獣のような主役を演じたベン・ウィショーはすごい演技力だったと思います。
うまく言えないけど伝わってきましたもん。
見つけた綺麗な女性たちをとても官能的に素敵なカメラアングルだったことが印象的です。
あと、ラストにはびっくり仰天しました! なんかあそこまでの乱交シーン・・・気持ちが悪くも思いましたよ。
とても心に残り、忘れられない映画になりました。
ナマラマナ

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