映画泥棒

パフューム ある人殺しの物語の映画泥棒のレビュー・感想・評価

4.2
 まず最初に、質感、臨場感、リアリティある映像美に目を奪われた。特に嗅覚の表現は素晴らしく、力強い画とカット割りにより観客をどんどんその世界に取り込んでいく。映画とはこうあるべきだと強く感じた。

 ストーリーの骨組みがよくできているので、過激な表現が多い中でもブレることなく最後まで綺麗にまとめあげられている。クライマックスには見たこともない異様の光景が繰り広げられ、「パフューム」の映画としての印象が強く残る。画作りも含めかなり緻密に考えられている。それでいてテンポも素晴らしく、みごとな緩急で話が進む。脱帽。

 乱行や殺人など、グロテスクなシーンも多く見られるためかなり好みが分かれる。しかし、そこまで個性的で癖が強いにも関わらず、映画としての完成度が非常に高く、隙がない。個人的にはもっと評価されるべき映画。
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