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クラウド アトラスのItottyのレビュー・感想・評価

クラウド アトラス(2012年製作の映画)
4.0
異なる6つの物語が少しずつ進行していく。時代が違えば登場人物もそれぞれでほぼ違う。でも僅かなピースで繋がってる。
どこがどうつながるのかな、と想像しながら見ることはもちろん、単純にそれぞれのエピソードが魅力的で、その行く末がどうなるのか、最後まで見入ってしまいました。

2022年現在から見ると、物語の2つは過去、2つは現代、2つは未来の時代の話。
つまり過去現代の話は、これまでの経験から想像できた物語であり、未来の話はこれから先の世界を創造した物語。
とはいえ未来の物語でさえ、それ単独で見ると、これまでのSFで見たことのあるようなモノです。クローンであれ、科学の暴走による文明退化であれ。

でもこれが過去から未来につながる大きな歴史の流れのように捉えた時、それらの魅力が大いに高まりました。
それぞれの物語はもちろん点ではなく線です。それぞれに、誰かの思いや願いや信念が存在していました。規模がどうであれ、それぞれが主人公のドラマがありました。
その一つ一つの線が全部つながって、大きな歴史ができていく。未来ができていく。
そんなとてつもないスケールを感じることができたことが、この映画の魅力だと思います。


また、そのような複雑なストーリーと構成を、きちんと映像化して訴えかけるところに、映画の素晴らしさを改めて感じられた作品でもありました。

歴史は繰り返してしまうのか?
人の信念は死後の未来にまで届くのか?
愛は時空を越えるのか?

科学では誰も答えの出せない問題に対して、大きなスケールで一つの仮説をだした物語。
クラウドアトラス六重奏曲に浸りながら、
過去を思い、未来を馳せ、今を生きる。
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