しょたーん

クラウド アトラスのしょたーんのレビュー・感想・評価

クラウド アトラス(2012年製作の映画)
5.0
好きな映画何?って質問された時、どう答えますか。私はその時、「きっとうまくいく」が好きで、その次は「フォレスト・ガンプ」かなって答えると思うの。

でもその会話の中では絶対に言うチャンスがないから言わないけど、「クラウドアトラス」も好き。この映画は万人受けじゃないのは重々承知しているから、そっと心の中にしまっておくので正解だと思う。そんな好きな映画が私の心の中にはいくつもある。新しいものはもういっぱいって時にそっとその宝箱を開けて、やっぱり面白かったって安心する。最近はそんな感じ。

この映画は6つの時代がそれぞれ同時並行で描かれて、一つの物語として収束していく。過去から未来へ至る所に紡がれた痕跡を見かけられ、輪廻転生を描いていく。

ざっくり各時代のエピソードあらすじを備忘録まで。
• 奴隷商人編
奴隷貿易を取り仕切っている白人弁護士が航海中に病にふせ、闘病する中で黒人奴隷と友情をはぐくむ
• 作曲家編
ゲイの作曲家の卵がベテラン作曲家の弟子となりクラウドアトラスを書き上げる
• ジャーナリスト編
ジャーナリストは命を狙われながらもある告発について公表すべく調べていく。
• 老人ホーム脱出編
お金に困った編集者が兄に頼ったところ老人ホームに監禁される。虐待に耐えかね、仲間と共に脱出を図る。
• 近未来韓国編
人間に奉仕するために生産されたクローンであるソンミは徐々に自我を持つようになる。
• 遠い未来衰退した地球編
過去の人類の行いにより地球は核に汚染され、生活様式は原始に還っていた。そこにテクノロジーを駆使する新人類が訪問してくる。

それぞれが単独のエピソードとして独立しながらも、どこかで繋がっていく。ヒューマンドラマやサスペンス、SFとそれぞれ全く毛色が違う話がコロコロ展開されます。めっちゃくちゃ見応えがあるし(現に3時間も...)なんか語り合いたくなる余韻が残ります。
いろんな俳優が各時代に全く違うキャラクターとして出てくるんだけど、エンドロールには答え合わせがあるのでそれもまた一興。いや、そんなの見つけられるかよってキャラクターもいて草。

一番好きなのは近未来韓国編かな。何回見てもソンミが革命に加わることを決意する理由となるあのシーンを見ると衝撃が走る。

全体的には格差を崇拝するもの、その序列を崩さんとするもののストーリー。昨今よく聞く分断という言葉、戒めよ。

どうぞよろしく。