ほおづき

舟を編むのほおづきのレビュー・感想・評価

舟を編む(2013年製作の映画)
5.0
言語能力は高いが周りからちょっとおかしい人扱いされてる主人公が、出版社内でもお荷物扱いされてる辞書を作る部署に配属され、15年もかかる辞書制作に奮闘するおはなしで、普段あまり意識することのない辞書制作の現場を知り、日本語を大切にしようって思わされると同時に、人ってやっぱ適材適所で輝くんだなって感じる作品。
 
コミュ力が低く営業もうまくいかない主人公は、辞書編集部で頭角をあらわしていくし
逆に辞書編集部でモチベが上がらないオダギリジョー扮する先輩は、言葉に対する情熱は人並みだけど弁が立ち政治力と熱い情熱で人を巻き込む力が抜群。
美人だけど偏屈な主人公の妻は、やはりこの主人公と共に歩むことで輝きを放つんだと思う。

それぞれの人がそれぞれの想いで15年という歳月を刻んでゆき、一つの情熱の結晶を作っていく。
 
 辞書とは言葉の大海に浮かぶ舟
 その舟で人は自分の気持ちを
 的確に表す唯一の言葉を探す。
 誰かとつながりたくて言葉を探し
 広大な海を渡ろうとする人たちにささげるため
 編集者はその海を渡る舟を編んでいく。
 
そのための編集作業で1プロジェクト期間15年って途方もないなぁ~・・・永遠にも感じられる作業とまったく得られない達成感・・・    
デジタル辞書が台頭し、紙の辞書の売り上げが厳しくなりゆく時代、それでも紙素材をこだわって厳選したり、デバグみたいな校正作業をしながら1冊の辞書を作り上げようとする姿があつい。