はるかわ

舟を編むのはるかわのレビュー・感想・評価

舟を編む(2013年製作の映画)
4.0
一生を捧げたいと思える「仕事」に出会えることの幸せと、尊敬する仲間と一つのものを作りあげることの喜びを、ストレートに伝えてくれる映画。

「ほかの人の気持ちがわかんないなんて当たり前じゃないか。わかんないから興味を持つんだろう、わかんないから話をするんだろう」
「若いうちに一生の仕事を見つけて、それだけで幸せなんだから、あとはずーっといくだけだよ」

…こういう台詞に説教くさを感じず、素直に胸に響くのは、それだけ登場人物が魅力的だからだと思う。

辞書編集部と下宿先を中心にあくまで淡々と進む物語は、実際に辞書編集に費やされる途方もない年月を静かに感じさせてくれた。最終盤の出版記念パーティーで、用例採集カードを見せあい「明日から改訂作業に入らなければいけませんね」と楽しそうなのも本当に好きなシーン。背筋が伸びる。

板前姿の宮崎あおいも素敵だったが、「おかえりー」と言いながら風呂あがりのスキンケアをしている池脇千鶴が最高だった。
はるかわ

はるかわ