大分の市職員として働く千晶は観光誘致のアイディアに行き詰まっていた。
市のアピールとして市長から、かつて強豪だった大分の女子綱引きチームを新結成するよう命じられた千晶は、廃止の危機にさらされていた給食センターのおばちゃん達とチームを作る事になるが…というお話し。
綱引きは“力が強い方が勝つ”というとてもシンプルかつ合理的かつ物理学的な競技。
だから肝になるのはその力を最大限に集中し発揮させる事。
これがアームレスリングみたいな個人競技ならわかりやすいのですが、団体戦となると難しい。
人それぞれ体格も違えば筋力も違う。
それぞれが強い力を持っていたとしてもタイミングやベクトルがずれてしまうととたんに力は分散し最大限の力は発揮出来ません。
だから何より大切なのがチームワーク。
心も体も一つにより合わされた時に始めてそのチームの真の力が引き出されます。
物理学、力学の真価を発揮させるのは人の心の絆なんですねぇ。
スポーツには勝敗がありますが、その本当の意味は過程にこそあって、例え試合には負けてしまっても本当の意味での敗者は一人もいないのだと思います。