ふみな

ルビー・スパークスのふみなのレビュー・感想・評価

ルビー・スパークス(2012年製作の映画)
3.1


欲しいのは
人間じゃなくて「女の子」

なんの理由もなしに嫌がらせしてきたり
料理作って待ってても
友達とバーで飲んで帰ってこなかったり

全く思い通りにいかへん。


でも、それが人間

なのに、欲しいのは「女の子」



あぁ、でも。
すごくわかる。


史奈がめんどくさいなて思うもん全部除外して
史奈が欲しいもん全部持ってるやつなんか絶対おらんのに。


でもややこしいのは
史奈の中にはそういう「男の子」が存在してまうこと。

だからいつの間にか
史奈の中の「男の子」と目の前の人間を比べてしまう
で、実際にそんな「男の子」がおるんじゃないかって錯覚してしまう。
この子がクソなだけで
ほんまの史奈の「男の子」がどっかに。

ええ、いつからこんな
「いつか白馬に乗った王子様が」女になってもーてたんやろ。


でもこれは、
自分に対しても同じ。

史奈の中にはいつも「吉村史奈」がいる。
で、周囲もそんな「吉村史奈」を求めていると思い込んでしまう。
必要とされているのは「吉村史奈」であって、目の前の不器用な人間ではないんじゃないか、とか。

自分のファンタジーと
自分自身との乖離に苦しみながらも、
でもきっとどっかに「吉村史奈」は存在してるはず。全部がうまくいくことがあるはず。

そうやって
目の前の「人間」とか「状況」から逃げて
空想の「吉村史奈」を探して探して探してる。


でも全部全部
所詮史奈の想像の産物。


そんな「男の子」も「女の子」も
「吉村史奈」もおらんねん。


わかってるんやけどな。
もしかしたら、、って思ってしまう。


はぁ。
イマジネーションほど厄介なもんはないな


変態や