ジャケ写は、華々しくライトのあたるステージ上で、地味な衣装の伴奏者がお辞儀をするシーン。眩しいライトはすべて主役である歌手のためにある。
貧しくて華もないためピアニストにはなれない20歳のソフィーは、人気オペラ歌手イレーヌの伴奏者となる。いつか自分もピアニストとしてステージに上がりたい…そんな夢を抱きつつ、戦時中の混乱の中で歌手イレーヌとその夫と共にロンドンに行くことになる…
輝かしい存在のイレーヌの影で、嫉妬という闇を抱えていくソフィーとイレーヌの夫。ソフィーの視線から見た夫婦の関係とイレーヌの秘密が描かれる。
ラストのソフィーが切なくて残酷だけど、この経験を糧に力強く生きて行くのではないかと思わせる。
ソフィー役のロマーヌ・ボーランジェのまっすぐな瞳と奥ゆかしさが超〜魅力的だった。実の父との共演です。クロード・ミレール監督といえば『なまいきシャルロット』もそうだったけど、今作でも少女の心の繊細さを切り取るのがうまい。
流麗なオペラと少女の成長、そして男女のいざこざ…上質なフランス映画を観ている気分に浸れて心地よかった♪