やっぱりカルカン

レ・ミゼラブルのやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
3.3
【ちょっとネタバレかも】
先に1998年版のレ・ミゼラブルを見てから2012年版を見たのですが、内容が結構違っていて驚いたので以下にまとめます。

違いを知りたくない、
自分で見てから驚きたい
という方は読まずに戻ってください。



・ミュージカル
2012年版はミュージカルを完全映画化した作品だそうで、全編を通して99%が歌になっています。私が今までに見た事があるミュージカルは、セリフと歌が半々ぐらいのものが多かったのでかなり驚きました。私は「夢やぶれて」だけ知っていましたが他の曲は分かりませんでした。1998年版は普通の映画です。

・エポニーヌ
1998年版にはエポニーヌが登場しません。そこまでは概ね同じ流れだったので、2012年版を見て「えっ!そういう展開!」と驚きました。切なくて胸が痛みます。1998年版で省略されている人は他にもいます。

・終盤〜ラスト
1998年版はジャン・バルジャンとジャベール警部中心のストーリーになっています。他の人達が省略されているのはこれが大きな理由です。
2012年版にはこの2人の関係に決着がついてから、先の物語がもう少し追加されています。ここが結構重要なので私は1998年版(ストーリーが短い方)を先に見てよかったと思いました。もし長い方を先に見ていたら、1998年版の終わり方が中途半端に感じてモヤモヤしてしまうかもしれないので…

どちらを先に見るべきかというと、細かい描写や説明は1998年版の方が丁寧に感じたので、やっぱりオススメはあっちが先かなと思います。2012年版はどうしても詰め込んだ感が否めないので…
でも、どちらが先でもいいので、もしどちらか片方を見てレ・ミゼラブルを気に入ったら是非両方とも見ていただきたいです!

個人的に、この映画は「ミュージカル」だと感じたので映画としてのスコアはやや低めにつけました。でも作品としては好きですし映像美も素晴らしい。映画を見て心が震えるのとはまた違った感覚ではありましたが、刺さったことは間違いないです。
やっぱり全世界で何年も愛されている作品だけに、面白さは折り紙付きですね。

豪華キャストで撮影も大変だったろうと思います。ストーリーの途中からマリウスの指輪の事が気になっていたのですが、盗まれたマリウスの指輪をつけたテナルディエの旦那が会場からつまみ出され警備員に担がれて階段を降りていくシーンで小指に指輪があったりなかったりしています。(「風向きに合わせて」の所だけ指輪が消える)
後日そこだけ撮り直した時につけ忘れたんでしょうか。その後はっきり取り戻した描写は無いのですが次のシーンでマリウスの手には指輪が…キーアイテムなのに残念!