未希

レ・ミゼラブルの未希のレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
3.8
小学生の頃からミュージカル鑑賞が趣味で、この作品の舞台版は本場英国でも日本でも何度も見たことがあったという前提ありきで書きます。

公開当時、ミュージカルサークルに所属する大学生だった私と周りの友人たちにとって、この映画の公開がどれほどの楽しみだったかは本当に言葉では表せないくらい。

しかもミュージカル映画では前代未聞、歌はレコーディングではなく生で(撮影中に)録音するとのこと。
そのおかげで、本当にリアルな「芝居」としての歌がとらえられたことは間違いない。

アン・ハサウェイのI Dreamed a Dreamなんてその最高の例。歌の技術が完璧でなくとも、絶望をあそこまで表現できたのは生だからこそ。(歌声を加工しまくってる近年のミュージカル映画にも見習ってほしい…。)
しかも舞台版では工場を追い出された直後に歌ってたのが、映画版では本当のどん底になってから歌う。すごく有効な変更だと思う。

その一方で、ラッセル・クロウは歌の技術が追い付かないせいで演技もよくわからないことになってしまったのではないか。とも思うので、このキャストで生歌が一番の選択だったかどうかは正直わからない。

アーロン・トヴェイト(革命のリーダー アンジョルラス)やサマンサ・バークス(エポニーヌ)といった本格ミュージカル俳優を入れていることで脇が固まるのは嬉しい。

映画として悪くはないけど、1998年の歌わない版の方が実は好き。
未希

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