【デジタル化の流れはとめられないだろう】
現在、映画の撮影・上映システムが大きな転換期を迎えています。
長らく映画はフィルムで撮影・上映するものでした。それがデジタル方式に一気に移行しかけています。
この作品は、多数の監督や撮影監督にインタビューして、映画の撮影におけるデジタル化の問題についての意見を集めたものです。
人により、フィルムがいいという人、デジタルがいいという人、色々です。フィルムは、現像してみるまでどういう映像になったか分からない。現像ができるのが撮影の一日後。それまで監督はじりじりして待たねばなりません。他方、デジタルはすぐに映像を見ることが出来る。この辺は、フィルムの写真とデジタルの写真と同じことなんですね。
むろん、監督としてはすぐに映像が見られたほうがいい。それでも、フィルムには捨てがたい味がある、と主張する監督もいるわけです。
また、デジタルといっても登場してから今日に至るまで、技術的には長足の進歩をとげている。逆に言えば、デジタルが登場したての頃は「こんなの映画に使えるか」と言われてもやむをえない程度だったのです。
でも時代の流れとしては、デジタル化でしょう。フィルムを好む監督がいるにせよ、フィルムが今後どの程度残るか、予断を許さないと思います。
ただ、この映画ではあくまで撮影のデジタル化の問題に限定して意見が述べられています。
今、われわれ観客に身近な問題は、むしろ映画館のデジタル化でしょう。そのために設備が更新できなくて（費用がかなりかかるからです）廃館する映画館もでてきている。この方面の問題を扱うような映画も、作って欲しいものですね。
