のい

劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(ファントムルージュ)ののいのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

2024年4月16日現在、今更ながらにハンターハンターアニメにどハマリしました…
日テレ版を数回見返し終えて今はフジ版借りて視聴中
原作は未読(これから読む予定)

それにしても評価ボロボロでびっくりする(元が傑作過ぎるから仕方ないのだろうけどw)
ツッコミどころも確かにあるけどそんなに悪いかなというのが率直な感想

これ、グリードアイランド直前ってこと?キメラアントよりは前だよね…
こんな事があの合間にあったとか、そういう視点で見てしまったらもう★5でしかないでしょ…
これの後でキルアはビスケにああ言われてゴンから離れる決意をするわけでしょ…

今作は友という存在を掘り下げているところも面白い
友という存在には正の面もあれば負の面もある
友との関係によっては、自らを縛り付けるものにもなるし力を与えるものにもなる
最も危うくさせる存在にもなりうるし、最も成長と学びを与えてくれる存在にもなる

クラピカにとってのここでの人形パイロは過去に引き止める存在であり、それは本来のパイロが願ってることではない…
そして今のクラピカは新たな友を得て未来へと生き始めている

友とは共に助け合い先へと進みあえる支えとなる存在
彼らはそういう関係を選んでいる

フジ版見始めてから、フジ版キルアが最初の段階からかなり友達と言う存在に懐疑的に描かれてたのに対して、日テレキルアは最初から屈託なく友達を求める様子で描かれていたから、この作品で「友達」というテーマを負の部分も含めて掘り下ようとしたのかな…と感じた

あと、キルアがいわゆる機能不全家族から洗脳を受けて育ってきた子供だという掘り下げと…(しかも殺人人形として生きること、イルミには逆らえず自分より強いものとは戦えないという「呪詛」を受けている)

そんな状態の中、ゴンキルでイルミ(偽であっても)と対決する意味はとてもとても大きい
ゴンはキルアがイルミによって洗脳されていることを承知してる

自分が洗脳を受け本当の自分ではなくなっている事を理解してくれてるゴンと、キルアが自分を暗殺人形に引きずり込もうとしている洗脳相手(イルミ)と対峙することの意味は本当に大きい

ゴンはキルアに「キルアになら裏切られてもいいよ」というけど、自分はかけがえのない唯一の友さえ裏切ってしまうかも知らないという呪いを掛けられたキルアにとって、そのゴンの言葉がどれほどの救いになったかは計り知れない…間違いなくその後のキルアが闇落ちする危うさを止める防波堤になっている

キルアは機能不全家族に洗脳されて育った虐待児そのもので、その植え付けられた認知の歪みと洗脳(呪い)から抜けることの難しさを知っている者なら、それがどれほどに容易でないことかが痛いほどよくわかる
だからこそ錨のような存在となるゴンがそばに居ることは、洗脳から抜けきれていないキルアにとってとても大きな力になる

この話の段階でのキルアはまだ、自分がクラピカの代わりに敵を殺すという汚れ役を引き受ける事で、仲間に対する自分の役目を全うしようという負い目の意識が残っている…

そんなキルアがレツから最後に「これで本当を生きられる」という言葉をもらうことの意味深さ…

そしてクラピカ達と違い、(まだ洗脳から抜けきらず本当の自分を生きてないから)自分の中には何もしたい事のない空っぽなキルアに「俺のそばにいてよ!一緒にいたいから!」という言葉を投げかけるゴンの凄さ…
最もその時の相手に命を吹き込む言葉をさらっと言えちゃうゴンの度量に脱帽する(まあただの天然なんだろうけど!そういう意味では本当に最高の相性だよ君たちは…)

H×Hはゴンの物語でもあるけれど、キルアが本当の自分を生きられるようになるまでの成長の物語でもある
そういう視点から見たこの作品は、心理変容の段階としてめちゃくちゃ意味がある

そしてこの後キメラアント編でゴンにあんな風に言われてしまうという伏線としても、この話色々ヤバ過ぎて、オタクはもう死にそうです…

これはもうH×Hアニメファン(の極一部か…評価めちゃくちゃ低いもんね…)の為の作品ということでいいのでは…
少なくともこれがある事でこの後のグリードアイランド編もキメラアント編も深みが倍増したのは確か(少なくとも私にとっては)

それにしてもイルミにゴンの真っ直ぐな瞳とか食い合わせ悪すぎて崩壊しそうな気がするwww

それとヒソカの「失礼しちゃうね」は最高に好き…
ノブナガもめっちゃかっこよかった!!
レオリオ雑に扱われすぎ!(そんな役どころ??)とはいえクラピカの錨だね

※クラピカの0巻読んだ…
楽しかった?ってそういう事だったのね…(>_<。)
のい

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