【感想】
インドの青年パイとベンガルトラのリチャード・パーカーの漂流生活を描いたアドベンチャー。
パイの昔話で物語が進行していくのですが、正直冒頭からの40分は退屈でした。
ただこの映画はそこを乗り越えトラと漂流する話になった途端に面白さが急上昇します。
特にこの作品の凄いところが圧倒的な映像美。
至近距離から見るトラの美しさ、満点の星空を鏡写しにする海面の映像、青白く光る無数のクラゲやそこを飛び上がるクジラ。
全てが幻想的で、瞬きさえも惜しいほどでした。
そしてラストシーン、パイが語るもう一つの物語で唖然とさせられました。
まさかこんなどんでん返しが待っているとは...それを聞いて退屈だった冒頭の40分もパイとリチャードが共に漂流した話をする上でとても大事な過程であり、伏線までもがちりばめられていた事に気付かされました。
真実を知った上で見返してみると、最後に辿り着く島の全景が人の形である事や、海面を覗き込むリチャードの顔がパイに変わっていくシーンにもちゃんと意味があったのだと気付きます。
一切のネタバレなく観てほしい映画です。
【評価】
脚本 ★★★★★
構成 ★★★★☆
演出 ★★★★★
音楽 ★★★★☆
印象 ★★★★★
