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脳男のP銀のレビュー・感想・評価

脳男(2013年製作の映画)
3.8
TVドラマ「ウロボロス」のアクションシーンがやたらカット割りが多くてテンポ悪いので確認。
生田斗真の猛禽類を思わせる表情が素晴らしい。

 痛みを感じない鍛え上げた肉体と超人的な記憶力を持つが、人間的情動が先天的に欠落した男、鈴木一郎/入陶大威。
「悪を殺す」という刷り込まれた目的に従って、反社会的人間を殺害していく。
 生身の超人、ダークヒーローとして邦画では珍しく徹底していた。その分格闘シーンがだれてしまったのが残念。もうちょっとテキパキ処理できるだろうと。もっと蓄積された知識が光るシビアな戦闘が見たかった。刑事が思いの外打たれ強かったのかもしれんが。

 鷲谷先生は人間性の矛盾に振り回される代表みたいなキャラで、逆にこの人の頭の中の方が理解に苦しむ感じ。
 鈴木一郎という鏡に、「殺したいけど殺さない」人間性を投影したかったのだろうか。

 ニーチェの超人思想とか、顔が血に染まったシーンで「これキカイダーオマージュか?」とか色々刺激された。
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