キミシマユウキ

レッド・ライトのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

レッド・ライト(2012年製作の映画)
3.6
大学で物理を教えるマーガレットとトムは巷で超能力者だと呼ばれる者たちの嘘を次々と暴いていた。しかし40年前に姿を消した伝説の超能力者が現れて…

密閉スリラー映画『リミット』のロドリゴコルテス監督による超能力スリラー映画。
出演にはロバートデニーロ、シガニーウィーバー、キリアンマーフィーと豪華。
超能力系の話が好きだったので鑑賞。

「超能力者には二種類いる
本当に能力があると信じているタイプと、
嘘がバレないと思い込んでいるタイプ。
どちらも間違いよ。」

んー個人的には好きなんだけどなぁ
このマーガレット博士のセリフからわかる通り、今作は超能力者を自称するペテン師たちのトリックを暴いていくという流れで物語が進行していく。
本物の超能力者なんていない。
すべて物理学で証明してみせる。
と意気込むマーガレット博士、そしてそれに文句も言わず付いていく少し謎めいたトム。
ここらへんの描写を非常に丁寧に描きつつ突然後半から雰囲気がガラッと変わる。
伝説の超能力者サイモンの登場だ。
彼が現れてからというものどう考えても物理では証明できないような現象が次々と彼らの身に降りかかる。
そして前半で実は周到に張られていた伏線が回収されて、ラストに...
というのが全体の構成なのだが、なぜかどこのレビュー(Filmarks以外も)を探しても否定的な意見が多い。
エンドロール後の数秒のシーンにまで意味を込めた監督の熱意が伝わりきってないんじゃないだろうかと思った。
面白いんだけどなぁ。

主演は『バットマンビギンズ』『28日後』のキリアンマーフィー。
huluや日本の宣伝ではデニーロが主演のように全面に押し出されているが、本当の主役は彼です(笑)
素性がよくわからない、セリフも少し意味深なミステリアスキャラは彼にハマっていた。
マーガレット博士にシガニーウィーバー。
このキャスティングは憎い。SF代表作『エイリアン』などで常に非現実的なヒロインを演じてる彼女に
「超能力なんて存在しないわ!」
と切り捨てるキャラを演じさせるなんて面白いじゃないか(笑)
そしてなにより名優ロバートデニーロ。
マフィアのボスでもハンカチ常備の紳士でもない、謎の超能力者としての彼の威厳も素晴らしい。
観客を煽りながら披露するその”超能力”は周りを魅了すること間違いなし。さすが名優の演技だ。
あとは小柄の俳優トビージョーンズや『アベンジャーズエイジオブウルトロン』のエリザベスオルセンなどが出演。

一度目は真実を知り、真実に怒るかもしれないが、
二度目でそれが分かったうえでもう一度鑑賞すれば元からその流れしかなかったということがよくわかると思う。
う~ん、それにしても平均点が低いのは少しもったいない気がした作品だ。

超能力解明好き、ロバートデニーロの胡散臭い超能力者が観たい方、そして後半のなぞの展開が観たい方にはオススメの作品。