米粉

王になった男の米粉のレビュー・感想・評価

王になった男(2012年製作の映画)
5.0
すっげぇなイ・ビョンホン…いや、もうすっげぇのよ魅力が炸の裂よ。
彼の作品はほとんど観てきたつもりだったけれど、なぜか最大ヒット作であるこちらだけ未見だった。
宮廷ドラマというだけで何となく食指が伸びなかったのだが、なぜもっと早く観なかったのだろうと悔やんでも悔やみきれない。
ポスタービジュアルの“いかにも重厚な歴史もの”感で誤解していたが、予想以上にコミカルな作品だった。
暴君として知られていた光海君は暗殺されることを恐れ、瓜二つの男ハソンに自身の代役を務めさせるというお話。
影武者が本物よりも王らしくなって良い政治をしていく、っていう王道のストーリー展開ではあるものの、シリアスなシーンとコミカルなシーンのバランスがまぁ絶妙で、あっという間の2時間だった。
冷酷な暴君とひょうきんな道化師である影武者。
全くの別人格をビョンホンが一人二役で演じており、同じ服装にも関わらず声色や仕草、ほんのちょっとした表情で「あ、今はこっち」っていうのが瞬時に判別できる。
ラストの重要なシーンでね、もう彼の演技が上手すぎるがゆえに結末分かっちゃうのよ。
こう言ってしまうといいんだか悪いんだかって感じだけれど…(苦笑
ハソンの心温まるエピソードをいくつも重ねることで、観客は思わず彼を応援したくなってしまう。
この感情移入のさせ方が斎藤巧み。
護衛のト武将のシーン、あたしゃボロボロに泣いてしまったよ。
サニーのあのコもトガニのクソ校長も出てるし、脇を固めるキャストも素晴らしいので必見でごわす。
観終えた今思うのは、ジャケットの王は光海君とハソン、どちらなのだろうということ。
ハソンが影武者になった15日の間に、二人は理想の王を目指して重なったのかもしれないなぁ、なんて思うと非常に奥深いものに思えてくる。
こちらもできれば劇場で観たかった作品でした。
それにしても女官に見守られながらウンコしなきゃならないし、ウンコが出たら「おめでとうございます!!」とみんなに祝われるし、出たウンコは医者に味見されるし王様も大変だなぁ…
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