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王になった男のricoのレビュー・感想・評価

王になった男(2012年製作の映画)
5.0
@U-NEXT [2016/03/19]

前売券を買い公開前から指折り数えて待っていた、2013年、いや、韓国映画マイベスト5に入ってる名作。

イ・ビョンホン扮する李氏朝鮮第15代王で暴君として知られた光海君は派閥争いから常に暗殺の危機にさらされており、自分の影武者となる男を探すようひそかに命じ、ほどなくうり二つの男ハソン(イ・ビョンホンが一人二役)を見つける。直後、光海君は毒を盛られ病床に臥してしまう。ハソンは光海君が平癒し政務に就けるまでの間、代役を命じられる。一度は拒否するもリュ・スンリョン扮する都承旨の説得に応じ影武者役を引き受けるのだが…

まず冒頭、女官達が光海君の身支度を整えるシーンにクギ付け。身体を左肘掛に預け気だるそうに少し視線を落とす光海君は朝陽を後背に受けながら女官達に身支度をさせているその様が妖しいほどの美さと憂いを帯びていてバックに流れるクラシカルな音楽も相まって独特の空気を醸し出している。韓国史劇が好きでいろんな作品を見てきたけど、こういうシーンはあまり記憶になく…1分半あるかないかのシーンなのだけど視覚・聴覚共に魅せられた。

時代背景や影武者モノであることを考えると本来シリアスな内容なのだけど、そこは韓国映画。ドタバタ、コミカル、涙ホロリな部分も。終始、テンポよく、あっという間にエンドロール。出来ることならもうちょっと先(の展開)まで見たかった。

主演で一人二役を演じたイ・ビョンホンの演技力は言うまでもないのだけど、脇を固めた都承旨(リュ・スンリョン)、大殿内官(チャン・グァン) 、卜部将(キム・イングォン)とのかけあいも素晴らしかった。ハソンの言動の変化に「ポストが人を作る」と言う言葉が浮かんだ。

ただ、最後、なんであの人が死ななきゃいけないの?(涙)
でも、忠義を尽くしたからこその結末…
本人は本望だったのかもしれないけど…
そこだけが悲しい。

しかし、イビョンホンってこんなに演技派の俳優さんだったんだ…(ごめんさない)
と言うか、改めて思う。韓国の俳優さんって本当にヤバい。
この作品にも都承旨として出てるリュ・スンリョン、先日レビューした「7番房の奇跡」の主演で出ているのだけど「えっ?同じ人が演じてるの?」とにわかには信じがたいほどの別人ぶり。まぁ、それが「プロの仕事」「演技力」なんでしょうけど…。

これからもリピ必至な作品です。
韓国映画を観たことのない方、是非ご覧ください。
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