東日本大震災の遺体安置所の様子という地味なテーマをよく映画にしたものです。記録として残したいということがあったのでしょう。
遺体との面会ってそれでなくても悲しいシーンが連続してずっとお葬式をしてるような映画で、それだけなら実際の葬式と変わらない気がしますが、それを超えた、遺体との接し方を葬儀社にいる西田敏行が示すところが勉強になる。
死体安置室というが、横たわっているのは死体ではなくご遺体である。遺体に話かけるとその人の尊厳を取り戻せる。遺体が本当にかわる。といった死者に対する礼儀を実践し、若い人に教えていき、若い人もかわっていく。そのあたりが勉強になりました。
こうした映画を君塚良一が撮ったのが意外。生きてる頃の様子をフラッシュバックで入れるなどいくらでもお涙頂戴に作れるがそれをしていない。この企画に有名な役者さんが参加してるのは君塚良一の力と企画に賛同したものでしょう。ドラマを厚いものにしている。