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ザ・マスターのutakoのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・マスター(2012年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

第2次世界大戦直後のアメリカを舞台に、爆発的に信者を増やしていった新興宗教の教祖とその弟子となった男の関係を描き出す。第2次世界大戦が終結し、赴任先からアメリカへ戻ってきた帰還兵のフレディ・クエル(ホアキン・フェニックス)は、戦地ではまったアルコール依存症から抜け出せず、社会生活に適応できずにいた。そんなある日、フレディは「ザ・コーズ」という宗教団体の指導者で、信者から「マスター」と呼ばれているランカスター・ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)に出会う。ドッドは独自のメソッドで人々を悩みから解放し、フレディもドッドのカウンセリングで次第に心の平静を取り戻していく。ドッドは行き場のないフレディをかたわらに置き、2人の絆は深まっていくが……。

主演はホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマン。2012年・第69回ベネチア国際映画祭で銀獅子(監督)賞、男優賞を受賞。

戦場体験により精神を病みアルコール依存症を患った男。ホアキン・フェニックスはこの手の単純でない人格、闇を抱える男を演じさせるとドハマりしますね。今でこそ、PTSDの治療は進んでいるでしょうが、怪しい信仰派宗教の粗治療に理解者を得たかのようにハマってしまい、立場すら違え後ろめたさを背負った男たちが惹かれ合っていくところは、終始不気味さを感じ観てました。
言葉少なな作品で、観る側に考えさせる系ですが、数多ある戦争映画のその後で描かれる、戦争とリアルの『落差』、そこに適合できない帰還兵の心理状態が、この作品の難解さそのものとリンクしてるのかもしれないなと。

12/1で配信終了になるので観てみました。
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