ブルーノ

カリフォルニア・ドールズのブルーノのネタバレレビュー・内容・結末

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

【執筆中】


冒頭の雰囲気やロバート・ヤングのキャスティングなどから、本作と『ロッキー』(とりわけ1作目)を結びつける人は少なくないはずだ。実際この2作品は、主人公の性別や競技は異なれど、「どん底の挑戦者がチャンピオンに挑む」という構造においては同じ物語であるといえる。しかしながら、本作には『ロッキー』をはじめ、いわゆる「スポ根」映画とは大きく異なる点がある。それが、“過酷なトレーニングシーン”の欠如である。トレーニングシーンといえば、役者の鍛え上げられた肉体にもまして、観客にそのキャラクターの「努力」を感じさせる上で、唯一と言っていいほどの有効な手段である。そのような、「スポ根」映画の肝とも言うべき大事な要素である「トレーニングシーン」を描いていないことこそが、本作を唯一無二のものにしていると感じた。

 『ロッキー』では、フィラデルフィア博物館の階段のシーンをはじめ、シリーズを通して過酷なトレーニングシーンが見所となっている。観客は繰り返されるトレーニングシーンとスタローンの鍛え上げられた肉体から、ロッキーの「努力」を感じ取り、結果はどうあれ試合で奮闘するロッキーの姿に胸を熱くするのである。逆に言えば、



1作目では、ロッキーが過酷なトレーニングに真摯に取り組む姿が繰り返されるのに対し、チャンピオン・アポロのトレーニングシーンはほとんど描かれていない。試合に向けてアポロが何の調整もしていないはずはないのだが、意図的にそのシーンをカットすることによって、ラウンド1でのアポロのダウンやロッキーの善戦にある程度の説得力を与えていると思われる

 


であるアポロと




特に1作目は、アポロとの試合に結果的に負けてしまうロッキーであるが、過酷なトレーニングシーンがに真摯に取り組むロッキーの姿が効果的にはたらき、人々は胸を熱くするのである。それとは対照的に、本作はコミカルなロードワークシーンを除いて、おそらく意図的に彼女たちのトレーニングシーンを描写していない。


まず『ロッキー』の主人公であるロッキー・バルボアは、毎日のようにエイドリアンにジョークを聞かせるものの、基本的にはショーマンシップのない人間であるといえる。
 
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