k

ふがいない僕は空を見たのkのネタバレレビュー・内容・結末

ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

アマプラで配信終了間際で駆け込み視聴。
ちょっと長く感じたけど、ノンフィクションとして考えられるような内容で、色々と考えさせられたので、見放題じゃなくなるのはもったいない……。

境遇がすごく似ている登場人物が居たわけじゃないけど、それぞれの苦しい心境が痛いほどに伝わってきた。

特にさとみさんの姑と旦那がキツすぎて、これが生き地獄か……と辛い気持ちになった。
不妊の原因がはっきりしてないのに、女側に原因がある前提で話すし、今それは関係無いだろ?って思うような過去の生い立ち?とか世間体とか、さとみさんの人格否定発言など本当に見るに堪えなかった。

姑が孫欲しいのも尊重した方がいいと思うけど、子供を産めないからって無能扱いして罵倒していい理由にはならないし、まず姑が出てくるまえに夫婦でお互い納得するまで話し合ったり、自分たちの子供を望んでいたのなら検査しておいた方が良かったのではと思った。

団地住まいの福田くんのエピソードもリアリティが凄まじくてしんどかったなあ。

自宅介護が厳しいレベルになってしまった祖母との暮らしだが、母親は滅多に帰ってこない。
母親は祖母のことを、「自分の母親ではなく父親の母親だから私が面倒見る義理はない」と言い、勝手にしてくれって態度だったのは心苦しいけど分かる部分があった。
でも日本で結婚して家族になるってパートナーの親、兄弟とも家族になるって意味もあると思うから、なかなか難しい問題だよなと思う。

今私は祖母と離れて暮らしてて、祖母は実家に居るけど、ちょっと前まで実家帰ると祖母がテレビ占領してたな(私はあんまりテレビは見ないので良いけど)
家に閉じ籠りきりのお年寄りはテレビ大好きなんだな……。
あまりにも長時間大人しく見てるから、それがすごく奇妙で怖かった。(知らず知らずのうちに洗脳されてたのではと思っている)

高校生だけど生活費や食事は自分でなんとかするしか無くて、それだけでもかなりしんどいのに、「団地の人だから」と差別され、クズで非常識とか不名誉なレッテルを貼られてしまい、本当はそんな立ち位置から抜け出したいのに、生い立ちがそう簡単にはさせてくれない苦しさ、もどかしさが伝わってきた。

福田くんがめちゃめちゃお腹減ってるのに店長がお弁当の廃棄を「ルンペンにあげる弁当箱ありませーん」とバカにした発言をしながらゴミ箱に捨ててるシーンは食品ロスの観点でも、ワーキングプアの観点でもすごく辛かった。

現実のコンビニでも信じられない量の食べ物が毎日捨てられていくのに、廃棄を従業員が食べるのはダメっていうのは食中毒とかで病気になったら大変って理由があるらしく、それは理解できるけど、ほんの数時間過ぎたくらいのは大丈夫じゃないのか?と思うので、賞味期限が切れて間もないのはセーフで希望する従業員にあげて減らす、次の発注では入荷数に気を付けてロスを減らすじゃダメなのかな?

何日もまともにご飯食べられない(しかも育ち盛りの高校生が!!!!)状況は極めて異常。
お弁当の差し入れを貪るシーンで、ちょっとホッとしたけど、気にかけてくれる人が身近にいなかったら?とか考えると恐ろしい。
廃棄される食べ物が山のようにあるのにご飯にありつけない人がいるってどういうこと……

この映画に出てくる辛い思いをしている人たちと現実で追い詰められている人たちに共通してるかもしれないことは、自分で何とかするのが当たり前で誰にも言えないことと、支援施策とかの頼れる制度があることを知るきっかけがなかなか無いことかなと思った。

改めて思った。人は一人きりでは生きていくのはかなり難しいし、自己責任論は暴力。
k

k