緩やかさ

君と歩く世界の緩やかさのレビュー・感想・評価

君と歩く世界(2012年製作の映画)
4.0
ずっとハリウッド映画が好きだった。
緊張と弛緩を2時間繰り返し日常へ帰還する安心感。

その一方でアンチコマーシャルな作風のヨーロッパの映画も好きだった。
固定カメラのロングショットが続く静謐な会話劇にはドキュメンタリーのような静かな余韻がある。

いま(もう10年前の作品だけど)、本作を観て感じるのは、
びっしりと細かくカットを割っても、CG使いまくっても、A24ばりにスムーズに音楽繋いでも、
ハリウッド映画とは全く違う、寄り添うようなナチュラルな感動があるって驚き。


キービジュアルの写真のシーンが中盤に出てきてちょっと涙が出そうになった。
あー、これかー、、映画そのもののシーンでパケ写詐欺ではなかった。

邦題は内容と違うと私は感じた。
日本のマーケットってこういうテイストの邦題付けないと集客できないのかな。邦題付けてる人も心苦しいだろう。


無骨すぎる主人公アリのキャラクターは好き嫌いが分かれると思うけど、自分とは何もかもが対極にあり、同性として無いものねだりな憧れを感じる。
ま、フィジカルからして全然違うんだけど。

ソファの後ろから撮っている、坊やがパパの首にすりすりと自分の頭を寄せるシーン、愛情が滲み出て好きだった。
緩やかさ

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