井出弐等兵

探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点の井出弐等兵のレビュー・感想・評価

3.0
この時代に「あえて」打ち出したハードボイルド感が妙にハマった「探偵はBARにいる」の続編。

必要以上の下世話な下ネタギャグの下りを見ていても思うのだが、
やっぱりこの作品の魅力は時代錯誤なハードボイルドさに加えて、
大泉洋と松田龍平のコンビがバッチリハマっているのも大きい。
前作以上にはしゃぎまくる二人のアンサンブルだけで、もはや合格をあげてる自分がいる。

それに加えて、皮肉の効いた物語も良かった。
昨今の原発ムーブメントを基にしつつ、市民団体・デモ行進など、思考より感情で動いてしまう左寄りの人々の姿をチクリと差しつつも、結論ではしっかりそちら側にも配慮している語り口が良かった。

ただそれだけに、主人公二人以外のキャラの存在感が薄かったのがもったいなかった。
特に今作のヒロインには全く魅力を感じる事が出来ず…。
彼女の一挙手一投石にイライラしてしまい、感情移入が出来なかった。

とは言え、シリーズの続編としては申し分のない出来栄えで、前作のあの感じにハマった人なら十分楽しめる作品。
是非この路線は続けていって欲しいところ。