PaulBenjamin

友は風の彼方にのPaulBenjaminのレビュー・感想・評価

友は風の彼方に(1986年製作の映画)
4.1
龍虎風雲
City on Fire
友は風の彼方に

原題・英題・邦題、ぜんぶかっこいい。ぜんぶ好きだ。
かねてから観たい観たいと思っていました。
やっぱりかっこいいな、タバコの吸い方。ユンファ。

潜入捜査官・チャウを演じるチョウ・ユンファ、おちゃらけた感じから一転、シリアスめいてくるとキリッとしてかっこいいです。さっきも書いたけど、タバコの吸い方とか座り方とか壁に寄りかかる感じとかが太々しくていいんですよね。80年代の雑多な香港の雰囲気とあいまって、整頓されていない美みたいなものがあると思います。褒めてんですよ。

もう一人の主人公と言っていいと思うんですが、宝石強盗団(・・・あ〜、いい響きだな、宝石強盗団。宝石強盗団になりたい。)の一員を演じたのが、ダニー・リー。すっごいよく観る顔だなこの人。この年代の香港映画に多く出てらっしゃる。本作いちばんかっこよかったのがこのダニー・リー演じるフーさんでした。

声がめっちゃいい。台詞の音源だけ売ってくれ。

貧乏長屋みてーなアジトで和気藹々とした強盗団の面々の中、一人落ち着き払ってプロ臭醸してたフーさん。かと思えばチャウにシンパシー感じちゃって、友情を築いていく・・・んだけどアイスをベチャッとすんなアイスを。すごいベチャッとしてくるじゃん。いいシーンです。
読み書きもできず、カタギとして生きられない自分を語る場面、よかった。どんどんフーさんに感情が寄っていっちゃって、後半ずっと目で追ってました。

全編に渡って、大小鯔背な演出が光ります。
お!ってなったのは潜入捜査の準備をするシーンのガムテープとカセットレコーダーの雑さがかえってリアルな感じとか、ロッカーのキーを落として靴底で隠すシーン!ここめっちゃ好き。あとやっぱりガンアクションですよね。おもちゃみてーにバカスカ撃つけど、この火薬と硝煙と血糊の飛び散る様や、ダンスシーンのようにのたうって壮絶に死んでいく様のうつくしさったらこの上ない。

書きたいことがいっぱいだ。空港のシーンも好き。当時のファッションもトんでるぜ。時代時代にいいところがあって、それが残り続けるのが映画の素晴らしいところですね。
PaulBenjamin

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