H4Y4T0

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかのH4Y4T0のレビュー・感想・評価

4.4
キューブリックが監督した最後の白黒作品。『2001年宇宙の旅』、『時計仕掛けのオレンジ』と合わせ「キューブリックSF3部作」これにて鑑了。

頭のイカレた米指揮官の不条理かつ理不尽な命令により、突如勃発する核戦争。アメリカ及び連合国はパニック&ソ連はカンカン。
ドイツ出身の兵器専門科学者ストレンジラヴ博士だけは何故かウキウキ。作戦会議室はたちまちカオス一色に。
一方その頃、50メガトン級の核弾頭を積んだB-52の乗組員達はそんなお偉いさん方の茶番劇などつゆ知らず・・・。

登場人物の内ほぼ全員が“クレイジーな思考の持ち主”なため、うまく収拾がつかずてんやわんやする様が面白い。薄っぺらいジョークでもキューブリックの手にかかればシリアスな場面すらもシュールに映る。

世界の終焉をブラックかつユーモア溢れる脚本・演出でアプローチする着眼点の鋭さに脱帽。
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