B級怪獣エイガ

デッド寿司のB級怪獣エイガのレビュー・感想・評価

デッド寿司(2012年製作の映画)
1.2
体感時間153分。実際は驚くべきことに90分なのでその誤差の1時間3分分、得した気分になれる。

エンドロールに入った瞬間の『やっと開放されるんですね』という悦びも束の間、ご丁寧にエンドロール中もしっかりと拘束してくるドドドドM向け仕様。

序盤の途中まで『この雰囲気好きだなあ…』とのほほんと温かい目で楽しめていたのは微かに記憶に残っているが、その後は死んだ魚の目になり、その目はそのまま脳と一緒に腐敗して完全に朽ちてしまった。

おっさんやおばさんが唾液と充分に混ざった白米を口に含み、こちら側に大きく口を開いて見せボトボトと偉大なる地球様の表面に落としていく様は俺の死んだ魚の目を持ってしてさえ見るに堪えない汚さだった。

人食いドーナツが襲ってくる『アタックオブザキラードーナツ』は楽しめる身体なのにどうしてこんな事になったのか。

振り切れすぎていたのかもしれない。
確かに、方向性としては『寿司の大軍』『バラエティに富んだ死に様』など俺の好みと同じ向きの振り切れ具合だったのだが、まさに俺は振り切られてしまったのだろう。

…いや、まて、ちょっと待ってくれ。今の振り切られたとかどうとかの話は撤回だ。

コレを振り切れていると言っていいのか。否。コレはただ単に大切な部分への考えを放棄した結果の【惨状】なんじゃないだろうか。
少なくともB級モンスターに夢を見た俺にとってはB級モンスター映画の墓場だった。

人間側がリアリティラインをとんでもモンスター側に【あまりに露骨に】寄せにいったらただのクソ茶番にしかならない。

特にそれが分かる例として、中盤の人喰い寿司を気付かず食べるシーンがある。
ここでその食べる人物に『じっくり味わいたいから目を瞑ろ。』と、まあ単純に実行するならまだしもセリフをまんまその人間に言わせるのだ。こんなのはもう逃げでしかない。放棄でしかない。ここの解釈違いにより、B級モンスターをバカにされてる気分にさえなった。
まあ百歩譲ってそれで滅茶苦茶笑えるならまだいいが腐敗してしまった目の俺を笑わせることは出来なかった。

いいか、B級モンスターを逃げ道にしすぎるな。